ニューヨークタイムズ 2011年3月17日
高い放射能を持っている核燃料棒の処分法を何年にもわたって決めてこなかったことが日本の当局者に戻ってきている。いくつかの国は、原子力発電所に蓄積した核燃料棒の数を減らそうとしてきた。ドイツは、高価なキャスク(使用済み核燃料を冷却しながら保存する容器)で保管しているし、中国は砂漠に送っている。しかし、アメリカと日本は、原子力発電所の臨時貯蔵プールで莫大な数の使用済み核燃料を保管している。
東京電力が木曜日(3月17日)に示した数字によると、原子力発電所にある最も危険なウランは、原子炉よりも使用済み核燃料棒として存在している。
全部で11125本の燃料棒集合体が第1発電所に保管されている。それは、放射能量で原子炉にあるものの4倍になる。
今、これらの臨時プールは、発電所のアキレス腱になっている。プールの水は沸騰するかもしくはもれている。
(中略)
東京電力は、今週、貯蔵プールで再臨界(核分裂反応が再開すること)の可能性に言及した。
(中略)
日本の当局者の3号炉に関する大きな懸念は、3号炉が違う核燃料を使っていることです。モックス燃料を使っており、それは、ウランとプルトニウムの混合物でより危険な放射性雲を火災や爆発の時に生じさせる。東京電力によると514本の燃料棒集合体の内32本がこのモックス燃料だ。日本は、核燃料をリサイクルする計画を進めている。
日本は2兆8千億円(1ドル100円で)をかけ、六ヶ所村で使用済み燃料棒からウランとプルトニウムを抽出してモックス燃料を作る再処理工場を作った。
建設は、何度も遅れ、試験は2006年に始まった。2010年には操業することになっていたが、2年遅れた。
核燃料サイクルを完成させるため、日本は、高速増殖炉もんじゅも作った。しかし、液体ナトリウムによる火災で工場はとまっている。
金曜日の地震で多くの施設が壊れた。六ヶ所村の使用済み燃料プールから水があふれ出た。そして、電源が失われ、バックアップの電源が作動した、と日本原燃が報告した。
原子力資料情報室(反核グループ)によると、六ヶ所村には、3000トンの燃料が保管されている。電源は月曜に回復したと日本原燃は報告した。
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