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生 産 者 訪 問 記 |
斉藤牧場に行って |
行く前は、池があって緑がきらきらして、とっても美しいところなのかな、と思っていましたが、実際行ってみて、想像以上の景観に、これが牛が拓いた場所なのか、と本当に驚きました。
けれどもそれ以上に強く思ったのは、牛たちと同じ土の上を立っているんだという事でした。
急斜面の山肌には、斉藤さんが種をまき、牛たちが培った牧草がびっしりと生えていて、牛の糞の間からきれいな小さな花が咲いている。 普段なら嫌だな、と思うような糞に群がる虫すら、同じ世界で同じ循環の中で生きているんだなと思える。牛たちは大きな、もっしゃもっしゃという音を立てて草を食べながら、のそのそと移動してこちらには目もくれない。私たちは牛たちの大事なごはん(青草)を踏みしめながら山の頂上近くまで登って牛たちを眺めてみる。 同じ世界を共有しながら生きているような気がして、あぁ、この牛たちから乳を少し、人間に分けてもらってもいいかな。「まぁ、ちょっと分けたるわぁ」なんて言ってくれるような気が勝手にしました。 その後、同じ北海道を走っていたら、牛舎に閉じ込められた牛たちを見た。 そこの牛たちは、ふかふかに青草の生えた、土のやわらかさをきっと知らない。 本当は大好きな青草を食べられない。 ほとんど隣の牛と腰を付き合わせた状態で、一生終わるんだろうか。 スーパーに並んだ牛乳パックみたいに、整然と並んだまま、買われて終わり。なのかなぁと思うと、悲しく、怖くなりました。 知っているか知らないままかでは、きっと大きく違うと思う。 分けてもらう牛たちの命を、もう少し知らなくてはいけないと思いました。 |
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