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三上さんのりんご袋掛け体験記 (西山) |
※お世話になった三上さん ※一般的な農薬散布(噴霧器)の風景 |
6月末、6月26日(土)・27日(日)に青森の三上さんのところへりんごの袋がけに行ってきました。これは少しでも農薬を減らすため、減らす中でりんごの身の中に虫が入っていかないためにします。当日は梅雨の雨にたたられることもなく、広々とした岩木山ふもとの畑で生活クラブスタッフで1万枚からの袋がけが出来ました。身長の倍以上あるりんごの木は枝が幾重にも分かれています。これをまた自分の身長程の脚立を何度も立てかけながら葉の中に埋もれたりんごの実を見逃すことなく袋がけしていきます。青空の下もくもくとこなしていく作業自体はどんどん夢中になりとても楽しいものでした。が反面、自分達はりんご栽培の一時を体験させてもらっているにすぎませんが、これを仕事として経営として考えるときこの人件費をどうやって捻出するのか!?考えものであると思いました。 青森と聞いて思い浮かぶのがりんごです。そういう刷り込みからりんごは日本古来その昔から自生しているという勝手な思い込みがありました。でも実際はりんごは日本の気候には合わないため、農薬を減らしたりんごの栽培はとても難しいのだそうです。青森では多くのりんご畑を目にしました。そのほとんどの慣行栽培では36剤の農薬が使われるのだそうです。減農薬を売りにしているものもその半分の18剤、しかも危険性の高い農薬はそのまま使われているそうです。これらは農協の指導により行われその基準にそぐわないものは安く買いたたかれてしまうのだそうです。普通の農家は農協へ出荷するためのりんごを作っており、その薬剤にどんな危険があるのか知りません。実際に作業中にとなりの畑では自走のできる背中に大きな扇風機をつけた噴霧機が農薬を撒いているのを目にしました。農家の方も簡単なマスクをしているだけで、慢性的に浴びていて大丈夫かなとも思いました。そしてりんごの栽培は常に虫、病気との闘いであるのだなと思いました。しかも1回病気が発生すると何年も影響が続くため、なかなか農薬を外せないのだそうです。 初めてお伺いした三上さんは何とも柔和な印象のお人柄でしたが、その信念に基づく安全な りんご作りへの決断は並々ならぬものであったと思います。そこには売らんがための謳い文句としての低農薬ではなく真に安全性を考えている生産者の心を感じました。我々消費者はこういった生産農家の心根に思いを寄せることなく、ある意味見勝手に低農薬・無農薬と言いがちです。そういう背景を知らない上辺の要求に対し、見透かされたように数字合わせの低農薬がまかり通っているようにも思えます。 また手前味噌ではありますが、三上さんという生産者と出会い一緒に安全なりんご作りに取り組んでいる伊澤社長を中心とした名古屋生活クラブの存在も主張したいです。社員が出向いてりんごの袋かけをするという食品卸し会社が他にあるでしょうか!?。三上さんが農薬を減らすことを決断しさらに信頼を勝ち得ているのもこういう行動があってのことであると思いました。 りんごの皮にはがん細胞を抑制する抗酸化作用ポリフェノールが一杯つまっています。その皮ごと安全に食べることのできる三上さんのりんご。今回そのお手伝いに関われたことをうれしく思いました。 (西山) |
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