143人の、セリアック病の子供と、137人の対照者の子供で比較した。
母乳育児が2ヶ月以上の場合、2ヶ月未満に比べ、セリアック病は63%低下。
最初にグルテンを食べさせた年齢は、3ヶ月以後は3ヶ月以下に比べ0.72(統計的に有意でないが、発病の年齢には関係していそうだ)
セリアック病は、グルテンに対する抗体が作られることによって、発病する自己免疫病です。
グルテンは、グルテニンとグリアディンの2つのタンパク質。グリアディンはユニークなタンパク質で、多くのグルタミンを含んでいる。組織中のトランスグルタミナーゼは、グルタミンの脱アミドを触媒し、グルタミン酸に変換する。
グリアディン分子内の、グルタミンからグルタミン酸への変換で、クラスU抗原、DQ2かDQ8に結合することで、グリアディンペプチドの抗原性を高める。
主要組織適合性抗原の特定の型がグルテンによる自己免疫病、セリアック病と関連している。
セリアック病は、133人〜250人に1人という高い割合。症状は下痢などの腸症が主で、それ以外に、疲労、倦怠、貧血(葉酸、ビタミンB12、鉄などの吸収阻害による)
今回の調査でわかることは、母乳哺育を長めにすることで、食物アレルギーの一種、セリアック病のリスクが低下することです。
(2012/06/08 掲載)