小麦は多くの国々で主要な穀物であり、食品製造業における小麦の使用はグルテンタンパクの技術上の使いやすさにより更に増えています。
トランスグルタミナーゼ(TG)は多くの機能をもつため、至る所で使用される酵素です。
トランスグルタミナーゼはアミド分解やアミノ基転移によってタンパク質を変形させることができます。
この最後の反応ではタンパク質同士を結合させます(架橋という)。
腸内トランスグルタミナーゼは小麦への2種類の免疫反応(セリアック病、小麦由来アナフィラキシー)において重要な役割を示します。
加えて、小麦のアナフィラキシーの場合、新しいエピトープ(抗原)は主にアミド分解されたグルテンタンパクから成る食品成分ではないかと考えられています。
微生物由来のトランスグルタミナーゼは多くの食品製造段階で含まれるため、使用についてはチェックすべきです。このチェックはトランスグルタミナーゼ自体の安全性だけでなく、この酵素によって生成されるアミド分解されたタンパク質や結合したタンパク質の安全性へも及ばなければなりません。
本論文は小麦への免疫反応についての最近の知見と照らし合わせて、食品産業におけるトランスグルタミナーゼ使用が起こしうる成り行きを検討することを目的としています。
(2012/06/08 掲載)