食品安全情報:名古屋生活クラブ

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精製油の不純物には危険がいっぱい!!

高温処理してできる精製油の危険性の1つは含まれる不純物にあります。

今回エコナの出荷停止になった理由の「グリシドール脂肪酸エステル」は不純物の1つです。

精製油には他にも3-モノクロロプロパン-1.2-ジオール(MCPD)などの不純物が含まれます。

グリシドールは発がん性が疑われています。(アメリカ・国家毒性計画など) 下図にように、搾った油を加熱すると商品中にグリシドール脂肪酸エステルやMCPDができ、 それが体内に入ると発がん性のあるグリシドールになる可能性があります!!

精製油製造→人の体内に入るまで

精製油製造→人の体内に入るまでの図式

また、図中のMCPD(MCPD脂肪酸エステルも)という不純物にも問題があることがわかりました。

このMCPDは精製油だけでなく、油脂を含む食品(例えば調味料やパン、タンパク加水分解物など)にも不純物として含まれています。また、代謝されてグリシドールになる可能性も言われています。

MCPD脂肪酸エステル量を油の種類で比較したデータでは、

未精製油 100(検出限界)以下〜300ppb

MCPD は精製油に多く含まれていることが分かります。グリシドール脂肪酸エステルも同じように精製油で多く含まれていることが予想できます。

焙煎油 337ppb
精製油 300以下〜2462ppb

 

MCPDの毒性について

動物実験で腎細管細胞の過形成、高濃度投与で良性腫瘍ができた。ヒトでは実験していないので、不明。

 

MCPDの一日耐容摂取量(TDI)は 2μg/kg体重
乳児が粉ミルクを飲むとこの20〜30倍摂取することになると言っている論文がありました。母親が曝露することにより、母乳にもMCPDは見つかっています。

 

一日20gの油を摂取するとすれば、一日耐容摂取量(TDI)の0.5倍(半分)〜1.25倍を摂取することになります。油を平均以上に摂取する人はもっとMCPDに曝露しているでしょう。

結論

精製油には危険な物質が含まれている可能性が大きいです!! 花王のエコナのようにもしかすると他の精製油にも危険が潜んでいるかも…。工業製品には安い代わりにリスクがあります。精製油は避けて、できるだけ熱がかかってない油を選択しましょう。

(翻訳:伊澤、文責・図:もみのき)

(2012/07/06 掲載)