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「遺伝子組み換え排除」ということ

名古屋生活クラブの考え

「遺伝子組み換え排除」ということ

生協、宅配グループ、どんな流通組織も「歌い文句」「売り」で他社との競争に勝とうとしています。そんな中で遺伝子組み換え排除(GMOフリー)というのが今の流行です。

でも、実情は・・・・

日生協(日本生活共同組合)系の生協は、実は遺伝子組み替えに反対ではありません。反対している生協も、「醸造用アルコールの原料をとうもろこしからタピオカに代えた。」、「チョコレート用の大豆レシチンを中国産の大豆に代えた。」などと歌い文句にしていますが、僕は、「これって少し変」と思ってしまいます。醸造用アルコールなら、純米酒などに代えればいいし、大豆レシチンなら、なくてもチョコレートはできます。両方とも価格が少し上がるだけのことです。どこの生協も、その生協に見合った価格に商品をあわせようとしています。でも、そういう部分は、あまり見せようとはせずに「歌い文句」のほうばかり宣伝します。結局「商売」なんです。

ビタミンB2(リボフラビン)という添加物があります。たくあんの黄色い色付けによく使われる物質です。ビタミンB2は、化学合成でも遺伝子組み替えでも作ることができます。どちらが危険かはっきりいってわかりません。不純物は同じ様に含まれています。どちらも、潜在的な危険性を持っていると考えた方が良いと思います。どうしても必要な人が薬としてリスクを考えながら使うということにとどめた方が良いと思います。でも、なんとなく「遺伝子組み替えしていないビタミンB2使用」なんて書いてあったら「ああ、こんな所まで安全性に配慮しているんだ」なんて誤解をする人が多いんじゃないでしょうか?

遺伝子組み替えだけが特別に危険なわけではありません。化学合成もそれ以上に危険です。そもそも、添加物に頼った商品がまがい物なのです。チョコレートと大豆レシチン。醸造用アルコールと純米酒。どちらが先にできたものか、だれだってちゃんと考えればわかります。

会員の皆さん、この様な、まがい物の商品じゃなくて、歴史と伝統のある食品を選びましょう。

価格は、価格は高めですが、それが本物の証でもあります。

名古屋生活クラブの生産者、メーカーは、小規模のところが多く、「もうけること」と「良いものを作りたい」を両立させようと努力しています。野菜の生産者も、多くは「農薬を使う位なら、全滅してもしょうがない」という考えでやっており、有機で高く売れるからといって、低農薬、減農薬栽培をはじめたスーパーに出している農家とは、全然ちがいます。当然、野菜の味も全然ちがいます。会員のみなさん、歌い文句に踊らされずに、その食品の質を見極めてください。

よろしくお願いします。

(2012/07/12 掲載)