食事によって摂取するエネルギーの内、飲料が占める分が増加している。
飲料はその摂取によるエネルギーによって弱い補償作用しかもたないので、(訳注.エネルギー摂取による食欲の低下が起きにくい)飲料はエネルギーバランスをプラスに増加させる(訳注.太っていく)。
7人の男性と8人の女性を交互に4週間ずつ(間に4週間空けて)1日に1880KJ(約450キロカロリー)ずつの炭水化物を固体はジェリービーンズで、液体はソーダで摂取する。
固体で炭水化物を摂った時期のエネルギー摂取量は有意に低かった。液体で炭水化物を摂った時期にはエネルギー摂取の減少は起きなかった。結果として、体重とBMI値は液体の時期に有意に増加した。運動量と空腹感は変化しなかった。
炭水化物を液体で摂るとエネルギー摂取が増加する方向に働くことをこの研究は示している。
太るか太らないかはトータルのエネルギー摂取量と消費量で決まるという簡単な考えがありますが、動物(人)の体はそんなに単純ではなさそうです。
炭水化物を液体で摂ると、体はどうも反応しない様で、結果として、食べすぎ→太るという方向にいってしまう様です。トランス脂肪酸の毒性を世界で最初に明らかにしたハーバード大学のウィレット教授が「糖尿病や肥満の原因は液体から多くのカロリーを摂取する様になった食生活が原因だ」といっています。あまり体を使う労働をしなくなり、甘いジュースやお菓子、栄養価の高い肉や油を大量に食べる様になった食生活が多くの病気をもたらしています。炭水化物の中でも、その傾向が強いものとしては果糖があります。ブドウ糖は脳中枢などで血糖値としてコントロールされますが、果糖はコントロールされません。果糖はジュースなどによく入っている「ブドウ糖果糖液糖」「高果糖コーンシロップ」などに50〜80%も入っています。砂糖はブドウ糖と果糖が結合しているニ糖類です。
また現代の食生活を考える上で重要なことは、ファーストフードメーカーなどの様な企業に支配されていることです。これらの企業は当たり前ですが人の味覚を研究し、コストを下げ「売れる商品」をものすごい宣伝費をかけて販売します。その商品が売れることが第1であり、健康、安全は軽視されています。
この現代社会の中でよほど自覚的に生きないと、どうしてもファーストフードなど企業の食品を選び、太って、健康を害していくことの方が普通となってしまいます。
(2012/07/12 掲載)