学校給食会の検出限界… | クロルピリホス | 0.01ppm |
マラチオン | 0.02ppm | |
フェニトロチオン | 0.02ppm |
▼神戸大学発達科学部研究紀要第9巻第1号より
表4の農薬残存量の変化を見て、学校給食会の検出限界を考えると、クロルピリホスでは1ケ月でぎりぎり、マラチオンではbPの試料では不検出(ND)、bQの試料では、6ケ月でNDになってしまいます。
僕がもらった愛知県学校給食会の調査日は、4月11日〜13日と確認しているので、今年収穫の小麦ではなく、去年収穫(アメリカ、カナダ産ならば6〜10月?)の小麦と予想され、すでに半年以上経過している小麦と思われます。半年もたつと、農薬は分解が進み、他の物質になっていると思われます。
不検出は「無い」ということではなく、文字通り「検出できない」ということなのです。
という、@Aの可能性すらあるのです。
表2で、小麦粉から検出される残留農薬は、クロルピリホスメチルが【25検出/29検査】、マラチオンが【14検出/29検査】となっています(Tr.極微量含む)。クロルピリホスメチルが86%もの高い割合で検出されています(1997〜2000)。それなのに学校給食会は、農薬をすべて検出せず、どうもおかしいのです。県学校給食会の人は「安全な小麦粉です」と言うけど、どうもおかしい。
で、よく見ると、クロルピリホスは載っているが、クロルピリホスメチルが無い。県給食会にTELしました。すると、検疫の時の農薬に合わせて、クロルピリホスメチルは入れてないが、実際は測定していたのです。たまに0.2ppm位検出されるそうです。厚労省の測定では、クロルピリホスメチルは16検出/24検査、マラチオンは1検出/48検査、平成12年に検出されています。ポストハーベストの事は、製粉会社に聞いても「わからない」と言っています。
一番検出の可能性が高い農薬(クロルピリホスメチル)をリストから外しているのです。
また、それが検出されていても、公開しようともしない。
真剣に子供の安全性をかんがえているのか、疑わしい。
※クロルピリホスメチルは有機リン系の殺虫剤
▼神戸大学発達科学部研究紀要第9巻第1号より
農薬名 | 国産・輸入 | 検査数 | 検出数 | 検出範囲(ppm) | |
基準値なし | クロルピリホスメチル | 国産 | 0 | 0 | - |
輸入 | 48 | 9 | 0.02−0.99 | ||
基準値あり | クロルピリホスメチル | 国産 | 0 | 0 | - |
輸入 | 50 | 22 | 0.01−0.27 |
以下、2005年11月追加
愛知県内の学校給食に使われている小麦粉は、輸入80%、県産20%の割合です。輸入小麦は、ポストハーベスト農薬(輸入時に虫が増えない様に)として、殺虫剤が使われています。殆どがクロルピリフォスメチルとマラチオンという有機リン系の農薬が使われています。以前、お知らせしたように、愛知県学校給食会は、クロルピリフォスメチルに残留基準が設定されていない事を口実に、クロルピリフォスメチルの測定結果を公表してきませんでした。
今回愛知県教育委員会と名古屋市教育委員会を通じて、「クロルピリフォスメチル測定」のお願いをしたところ、今年から測定するとのOKの返事をもらいました。
ところが県や市には求められたら報告するそうですが、県民が公開をしても「教えられるか未定」などという状況です。
厚生省の調査で、市販のパンで調べたところ、24検体の調査で16ものパンからクロルピリフォスメチルが検出されています。このような高い汚染の現実を知らせずに、輸入小麦を学校給食に使い続ける学校給食会には、怒りすら感じます。
皆さん、働きかけをお願いします!!
(2005/11/18 掲載)