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グリコールエーテル類 たくさん使われている毒性化学物質

論文で紹介します

Glycol ethers ? a ubiguitous family of toxic chemicals
グリコールエーテル類 たくさん使われている毒性化学物質
Andre Cicolella 危険性と産業環境 国立研究所? フランス (national institute of risks and industrial environment)
Ann.N.Y.Acad,Sci. 1076:784-789 2006

グリコールエーテル類は、1930年代以来、ペイント、インキなどの溶剤、クリーニングに、化粧品、薬に使われてきた化学物質です。

世界中での生産量は、約100万トン、動物実験の最初のデーターは、1971年と1979年で、ある種のグリコールエーテルの重い生殖毒性を示していた。1982年と1983年にそれぞれ2つの警告がアメリカで出されたのですが、実際に一部の規制がEUで始まったのは、1993年になってからでした。これらの物質は、多くの人々を曝露させているのですが、基本的な毒性データー、特に発ガン性に関しては、ほとんど無い(32種類の内、3種類だけ)。実験データーは、1980年代初めには、発生毒性を示す充分なデーターが存在しました。

最初の禁止は、1999年にフランスで薬と化粧品で行われた。1980年代後半には、動物実験と同様にヒトでも、流産、異形成、精巣毒性、血液毒性、などがわかった。一致している毒性のデーターや代替物があるにもかかわらず、生殖毒性のあるグリコールエーテル類はいまだに広く世界中で使われているのです。クリコールエーテル類の例は、リスクアセスメントの現在のシステムの欠陥を示しています。EUのリーチ規制(化学物質の規制)が「No deta. no market… データーのない化学物質にはマーケットが無い…安全データーの無い化学物質は使わせない」という原則に基づくべきだと嘆願する。

(2007/6/18 掲載)