植物由来や工業由来の内分泌かく乱化学物質は、甲状腺ホルモン軸を阻害する可能性がある。
F21388(合成フラボノイド)ビスフェノールA(ポリカーボネートの原料)、紫外線フィルター ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)は、甲状腺ホルモン合成に重要な酵素―甲状腺ペルオキシターゼを阻害する。
ベンゾフェノン2は、数多くの化粧品に毎日の様に使用され、定常的に皮膚と接触している。ベンゾフェノン2の阻害濃度は、抗甲状腺薬として使われている。メチマゾールやプロピルウラシルの、20倍から200倍低く(低い濃度で阻害を起こす)ベンゾフェノンを投与したラット(333mg/kgと1000mg/kg)では、血清T4(チロキシン、濃度が有意に減少した。
甲状腺ホルモンは別名、成長ホルモンとも呼ばれ、全身の成長、とくに神経系の成長に重要な役割を果たしている。
PCBが甲状腺ホルモンを阻害することで、神経系の発達を阻害し、脳の発育、分化に悪い影響をもたらす可能性が指摘されてきたが、今回は、サンスクリーン中のベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)が甲状腺ホルモン合成に重要な酵素(甲状腺ペルオキシターゼ)を薬の20倍―200倍も強烈に阻害することがわかりました。
なお、ベンゾフェノン2はEU内ではサンローション使用は許可されていません。又、ベンゾフェノン2の類似物質のベンゾフェノンは、アメリカ国家毒性計画(NTP)の発ガン性に関する研究では、
(Natl Toxicol Program Tech Rep. Ser. 2006 Febi(533): 1-264)
オスのラット | 証拠がある(発ガン) |
メスのラット | どちらともいえない |
オスのマウス | 証拠がある(発ガン) |
メスのマウス | 証拠がある(発ガン) |
という、発ガンを疑わせるのに充分な結果が出ています。
この様な、ベンゾフェノンを日焼け止め用の化粧品などに使っています。
その結果、環境汚染(水道水の汚染など)が起きつつあり、
(Environ Sci Technol 2006 Feb 1: 40(3): 687-95)
安易に日焼け止め用の紫外線吸収剤(ベンゾフェノンなど)の入った、サンスクリーンなどの化粧品を使うことは、やめるべきです。
(2012/08/06 掲載)