“美白化粧品”には「アルブチン」という成分が含まれています。この「アルブチン」は「糖」と「ハイドロキノン」が結合した構造になっていますが、身体に取り込まれた後、腸内細菌のはたらきによってその結合が外れることがわかりました。「ハイドロキノン」には発ガン性、変異原性があります。
アルブチンは食物作物の中に存在します。その一部分、ハイドロキノンは変異原性を持ち、発ガン性を持っています。我々はハイドロキノンがヒトの消化管の中で分解して放出されるかどうかを調査しました。アルブチンはヒト消化液中では安定でした。9人のヒトから得た糞便ではアルブチンが完全にハイドロキノンへ変わりました。9種類の腸内細菌のうち4種類、すなわち、ユーバクテリウム、腸球菌、バクテロイデス、ヴフィズス菌はアルブチンから糖を分離しました。
(中略)
アルブチン(ハイドロキノンでない)単独では、チャイニーズハムスターV79の細胞に変異原性を示しませんでした。しかし、ユーバクテリウムあるいはハクテロイデス由来の細胞質共存するとアルブチンは強力に変異原性を示しました。
腸粘膜のほんの近くにある腸内細菌によって起こるアルブチンからの変異原性を持つハイドロキノンの放出は潜在的なリスクであるかもしれません。
(2012/08/06 掲載)