ナノ粒子の危険性(肺ガン)を、ラットをモデルにして、酸化チタン(ナノ粒子、ファイン粒子)、カーボンブラック、ディーゼル排ガス粒子、で計算してみた。生涯にわたっての職業上での曝露のリスクを、肺ガンを0.1%増加させる濃度で表してみると、
ナノ粒子 酸化チタン カーボンブラック ディーゼル排ガス粒子 | 0.07〜0.3mg/m3 |
ファイン粒子 酸化チタン | 0.7〜1.3mg/m3 |
ナノ粒子、化粧品などで宣伝されていますが、すごく小さい粒子という様な意味です。(原子の大きさのレベル)ナノテクノロジーは化粧品以外にもすでに多くの分野で使われていますが、安全性の評価は進んでいません。なにせ、とっても小さいので、細胞に入り込んだり、脳に臭神経を通って入ったり、血液を通して入ったりします。ラットを使った実験では、発ガン性が出ています。今回の論文では、ナノ<ファイン(ファインのほうが大きい粒子)という大きさだけ違った酸化チタン(化粧品や抗菌剤、いろいろに使われている)の毒性を比べたところ、ナノ(小さい)の方がファイン(大きい)より、10倍位、毒性が強いということを示した論文です。
(2012/08/06 掲載)