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ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究

Carcinogenesis studies of benzophenone in rats and mice
ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究
M.C.Rhodes アメリカ国立環境衛生研究所
Food Chem Toxicol. 2007 May;45(5) 843-51

ベンゾフェノンはフォトイニシエーターと香料増加剤として、又、殺虫剤・農業・睡眠薬・抗ヒスタミン剤などの薬の原材料として、又、サングラスとインク中の紫外線防止剤として、プラスチックや接着剤の添加物として、又、香料成分として使われている。食品中のベンゾフェノン濃度は、ノンアルコール飲料中の0.57ppmから冷凍乳製品中の3.27ppmまで含まれている。さらに、パン・ソフトキャンディー・ゼラチン・プリンなどにも含まれる。

ベンゾフェノンの毒性研究は職業上及び消費者がベンゾフェノンに曝露される。可能性があるのに、慢性毒性データが無いため選ばれた。

サンスクリーン中のベンゾフェノンは一人の患者にアレルギー反応を引き起こした。ベンゾフェノンの誘導体、ベンゾフェノン−3とベンゾフェノン−4は皮膚を刺激し、光アレルギーを起こし、アレルギー性接触皮膚炎に関与している。

方法

1郡50匹ずつのF344ラット、オス・メスとB6C3マウス、オス・メスをそれぞれ0、312ppm、625ppm、1250ppmのベンゾフェノンを餌に混ぜ、105週にわたり投与した。1250ppm投与のオスの生存率は0(対象)に比べ低かった。

結果

オスラット 腎細管腫瘍 いくらかの証拠
メスラット 白血球 わずかに増加したのでどちらともいえない
  悪性組織球内腫 わずかに増加したのでどちらともいえない
オスマウス 肺ガン いくらかの証拠
メスマウス 悪性組織球内腫 いくらかの証拠
  肝腫瘍 いくらかの証拠

 

動物 部位
50匹中0ppm
50匹中312ppm
50匹中625ppm
50匹1250ppm
オスラット 腎小管適形成
1
5
20
23
  腎小管腫瘍
1
1
2
4
オスマウス 肝腫瘍
11
15
23
23

(以下略)

(2012/08/20 掲載)