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メラノーマ(悪性黒色腫)と他の皮膚ガン予防とサンスクリーン

論文で紹介します

Sunscreens in melanoma and skin cancer prevention
メラノーマ(悪性黒色腫)と他の皮膚ガン予防とサンスクリーン
Richard P Gallagher ブリティシュコロンビア大学 アメリカ
JAMC・2AOUT 2005;173(3)

皮膚ガンは、白人種によく起こる。その中で、メラノーマ(悪性黒色腫)は、まれ(1.3% 76人に1人)で、その15%は死亡する。

その他の扁平上皮細胞ガンと、基底細胞ガンは多く、通常、外科的に処置される。この2種のガンで死ぬことはめったにないが、それらのガンは日に当たった側、例えば顔などにできるので困る。カナダでは90%以上のこれらのガンは日光が原因で起きることが確かめられている。多くの皮膚ガンの予防プログラムにおいて、サンスクリーンの使用は、日光からの防御が着物などでできないときの最後の手段として、考えられている。SPF値が高いサンスクリーンを使用する人は、日焼けが遅く表れるので、よく長く日光を浴びているという報告があります。日焼けが表れるずっと前にDNA(遺伝子)の傷害は起こるので、高いSPF値を持つサンスクリーンは、逆効果になる可能性があります。高いSPF値を持ち、広い波長に対応しているサンスクリーンは、皮膚ガンから守ってくれるのか?その答えはイエスでもありノーでもある。まず、イエスの方から、多くの研究がサンスクリーンが扁平上皮細胞ガンを予防することを示しています。が、基底細胞ガンには、あまり望みがありません。メラノーマに関しては、ほとんどの研究は、サンスクリーン使用の効果を認めていません。いくつかの研究は、サンスクリーン使用によって逆にメラノーマが増えることを報告しています。最後に、子供から青年にかけての日光への曝露の程度が、その後のメラノーマの形成に特に重要であることの証拠があります。

サンスクリーンがすべての種類の皮膚ガンを防いでくれるわけではありません。それだから、日光を防ぐ衣服の着用が重要です。

肥満、とくに子供の肥満が増えている現状で戸外での活動を避けるようおすすめすることは、あまりよくないことです。さらに、最近の研究は、日光を浴びることでほとんど生成されるビタミンDが、今まで考えられていた以上に健康に大事であることを示唆しています。

(2012/08/21 掲載)