酸化チタンナノ粒子(直径100nm以下)は、毒性が低いため化粧品や薬に広範に使われている。しかしながら最新の研究では、酸化チタンナノ粒子は動物での発ガン性や種々の培養細胞での細胞毒性や遺伝毒性を示している。
この研究で私達は酸化チタンナノ粒子への短期曝露は細胞分裂、細胞の生存、活性酸素のいづれをも培養繊維芽細胞で増加させることを示した。さらに長期曝露は細胞の生存や増殖を増加させるばかりでなく、多核細胞や小核を増加させる。
私達の実験によって、酸化チタンナノ粒子への曝露は細胞周期進行と染色体の分離をかく乱し、染色体の不安定性と細胞のガン化につながっていることを証明している。
日焼け止め防止のサンスクリーンに使われている、酸化チタンナノ粒子は長期間曝露によって細胞のガン化につながる。