エンテロコッカスフェシウム菌は、日和見感染(弱った時に感染が起きる)を起こす病原菌であり、院内感染の主要な原因菌になっているが、その毒性や病原性のメカニズムはわかっていない。
エンテロコッカスフェシウム菌によって作り出される過酸化水素が線虫を殺す作用を持っていることがわかり、その病原性を明らかにするモデルになる。
幼児の便中から採取した乳酸菌の一種、エンテロコッカスフェシウム菌TM39株について調べた。TM39株は腸の上皮細胞に吸着する。又、ヘリコバクターピロリ菌に対し、阻害作用を持っていた。
又、このTM39は、バンコマイシン耐性ではなかった。又、ヒトの腸の上皮細胞への侵入性を持っていなかった。又、ウィスターラットへの経口投与実験でも、28日間の連続投与では、何らの悪影響も認めなかった。
結論として、エンテロコッカスフェシウム菌 TM39株は、大量投与の条件でさえ、ウィスターラットには、毒性を示さなかった。