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ゲニステインを産まれてすぐのねずみに投与すると子宮腺ガンが生じる

論文で紹介します

Uterine adenocarcinoma in mice treated neonatally with genistein
ゲニステイン(大豆イソフラボン)を産まれてすぐのねずみに投与すると、子宮腺ガンが生じる
Retha.R Newbold 国立環境健康科学研究所 アメリカ
Cancer Research 61. 2001

発生の臨界期(感受性が特別に高い時期)のエストロゲン(女性ホルモン)曝露が長い期間の後に影響を生じることが、私達の研究が示してきた。特に、DES(ジエチルスチルベストロール)、合成エストロゲン、流産防止薬として使われた)は、構造異常(奇形)、不妊、新形成(良性と悪性の腫瘍)などの生殖毒性を示す。

さらに、ねずみの子供に2mg/日(1000r/s/日に相当)にDESを産まれてすぐ1日〜5日に投与すると、18ヶ月齢になった時、子宮ガンが90〜95%生じる。

天然のエストロゲン、ゲニステインは、多くの大豆製品に入っている。

大豆がベースになっている乳児用工業製品によって、又、子供向けの大豆製品によって、人類は、高濃度のゲニステインを摂取している。

それらの製品中のゲニステインと他のイソフラボンの濃度は、大人の食事中の濃度をはるかに越している。

大豆がベースの工業製品を食べている幼児は、1日に20〜40mg/日(4〜6r/s/日)のイソフラボンを取っていることになります。(ゲニステインはその中で65%以上)それに対し、大人は中度から高度に大豆をとっている人でも、1r/s/以下です。

初期の研究は、若い頃のゲニステイン摂取の利点(乳ガン予防、コレステロール合成率の改善)を示唆していました。

しかし、ゲニステインと、別のクメストロールの長期後の有害な影響を示す研究が増加しています。

最近の1つの論文は、ラットの産まれる前のゲニステイン曝露の乳ガンの増加、もう一つは、インシュリン依存性糖尿病との関連などです。さらに、ベジタリアンの母親の男の子供に尿道下裂の増加を目立たせている論文もあります。

 

今回の実験は、

メスのCD-1マウスが産まれて1日〜5日の間、DESを0.001r/s/日、ゲニステインを50r/s/日投与し、18ヶ月で観察した。

  子宮腺ガン
ゲニステイン 35%
DES 31%

大豆がベースになっている乳児用の工業製品や子供向けの大豆製品は、よく調査されるべきだ。

解説

大豆に入っている植物エストロゲン(ゲニステイン クメストロールなど)の利点ばかり強調している多くの工業製品が販売されています。

今回、御報告する論文などに基づいて、厚労相が大豆イソフラボン製品の過剰摂取に関する注意を出しました。

植物エストロゲン(大豆イソフラボン)などを濃縮した工業製品は避けること、特に、乳児は避けるべき、と思います。

大豆を多く食べる東アジア諸国では、乳ガンが少ないなど、大豆の利点が健康上有益な事も又、大きな事実です。

これらの事を総合的に考えると、

 

  • ・大豆、みそなどは心がけて食べる
  • ・しかし、植物エストロゲンを濃縮している工業製品は食べない
  • ・特に乳児には過度に大豆(製品)は食べさせない

 

事が、現在の状況です。

枝豆などは積極的にとりましょう。