くるみに多く含まれてる、α-リノレン酸の摂取は心血管病の予防になる。中程度のくるみの摂取がヒト血中のα-リノレン酸とその誘導体(EPA)にどの様に影響するか調べた。
10人のボランティアに普通の食事に加えて、1日に4粒のくるみを3週間食べてもらい、その後、血中のα-リノレン酸などを測定した。
α-リノレン酸 | 0.23 | → 0.47 |
EPA | 0.23 | → 0.82 |
くるみ由来のα-リノレン酸はEPAなどに体内で変化しており、健康に良い影響を与える。
油脂にも種類があり、多くとりすぎていて健康に悪い影響をもたらしている。
トランス脂肪酸(マーガリンなど)飽和脂肪酸(動物などの油、パーム油など)
n-6系不飽和脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸、植物油、ぶどう油)などと、健康に良い影響を与えるのですが、不足しているn-3系脂肪酸(魚油、えごま油、アマニ油、くるみ)があります。
n-3系脂肪酸の中で、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)は共通の作用と個別の作用があり、EPAの有用性がいわれています。
今回の論文では、くるみを1日に4粒とるだけで、くるみに多く含まれているα-リノレン酸の濃度が血中で上昇すること、又α-リノレン酸が体内で変換したEPAも上昇する事が示されました。
ナッツ類は健康に有益な働きを持つものが多く、とりわけくるみはn-3系油も多く含むので、より有益な働きが期待できます。
原始時代のヒトは、木の実を多く食しており、ヒトの遺伝子はそれらに反応しているとも考えられます。ヒトが進化する長い期間に、食してきた食材がヒトの生存に適しているのだとも考えられます。
下に説明する論文は、くるみがコレステロールを下げること、その下げることと別に心臓病を防ぐ効果を示した論文です。
一価不飽和脂肪酸の代わりにくるみを摂る事は、高コレステロール血症の人の血管の拡張をもたらします。このことは、くるみがコレステロールを下げる効果以外に、心臓病を防ぐ効果を持っていることを説明します。