HOME食品安全情報
精製油と未精製油の差
◆ 新聞記事から紹介します ◆
熊日新聞1995年
がんの発生と関係 精製食用油 原因物質の中和能力劣る
前田・熊大教授による研究

精製された食用油は、がんを引き起こす原因物質である酸素ラジカル(活性酸素)を中和する能力が未精製に比べて少なく、むしろその仲間の“悪玉分子”を発生しやすいことが、熊本大医学部微生物学教室の前田浩教授の研究で分かった。
十日から浜松市で開かれる「食品因子の化学とがん予防の国際会議」で発表する。

酸素ラジカルは紫外線や放射線が酸素分子に当たった時に発生し、DNA(デオキシリボ核酸)を傷つけがん化を促進する。また動脈硬化や廊下の原因にもなることが分かっている。
前田教授は、まず精製した大豆、紅花、コーンなどの食品油と、未精製で有色の菜種油、オリーブ油を同じ条件(セ氏三七度、六十度のシャーレ)で長期間、空気酸化。それぞれを分析したところ、前者は二、三倍の速さで酸素ラジカルの仲間の“悪玉分子”である脂質過酸化物を発生していたことが分かった。
またラジカルに対する中和能力を見たところ、未精製の方が三百倍以上も優れていた。

これまでの疫学調査で、大腸がん、乳がんなどと油の消費量には相対関係があることが分かっていたが、科学的に実証されたのは初めて。
前田教授は「天然の種子中に油の酸化を防ぎ、ラジカルを中和する成分が含まれているが、脱臭や脱酸などの精製過程でこれらの成分が失われているようだ。この結果は、健康のためにはできるだけ、あまり精製していない食用油を利用した方がよいことを示している」と話している。

HOME食品安全情報
名古屋生活クラブ 2009 Copyright NAGOYA SEIKATSUCLUB,INC. All Rights Reserved