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学校の教室で農薬(スミチオン)が使われている

5月13日の会員交流会で、ある人からびっくりすることを聞きました。
教室の床(木材)に、虫(かつおぶし虫?)がわいたので、スミチオンをまいた。揮発するはずだったけど、翌日の天候が雨で揮発せず、残留した。子供がそれによって化学物質過敏症になった、というものです。
気になったので、調べてみました。
 スミチオン(フェニトロチオン)は、住友化学が開発した有機リン系の殺虫剤です。国内で大量に使われています。開発当時の住友の論文を見ると、突然変異原性(遺伝子に傷をつける)は、ある種のサルモネラ株にしか見られない(サルモネラ、ティヒムリウムTA100株)と報告してあります。
 が、新しい論文では、世界各国の研究者が、突然変異原性、発ガン促進、など続々と、発表しています。
ガン化は、2段階で進むと考えられています。最初に遺伝子に傷(突然変異)がつき、次に発ガン促進が起こる、と考えられています。ところが、スミチオンは、この2段階の両方に、共に作用する、とっても危険な物質の様です。
スミチオンは、分解が早い、揮発してなくなっていく、とも言われていました。が、新しい論文を見ると、スミチオンの分解産物が、同じ様に突然変異を起こします。また、分解、揮発を調べているデータを見ても、徐々に減少はしているものの、そんなに急に無くなったりしていく物でもありませんでした。
論文 Chemosphere 2003 Jan:50(3)275-82 岐阜大学の研究です。
                 J.UOEH.2004 Dec.1:(26)(4)423-30 国立環境研

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