HOME食品安全情報
シンポジウム「学校給食から始まる地産地消」に参加して思うこと

7月16日、幕内秀夫の講演とその後、愛知県・名古屋市・給食調理の現場代表の方を交えて、河田先生の司会のもとシンポジウムが開かれました。


 講演者の幕内さんは完全米飯給食の提唱者。乱れた子供たちの食生活を変えられるのは、学校給食しかないと言い切られます。20年病院等で栄養指導をしてきて感じることは、家庭の食生活を変えるのはとても大変なことで、至難の業だそうです。その食生活の基盤をつくったのは、戦後50年続けられたパン中心の給食とのこと。
  名古屋市の今年7月7日の献立を見ると牛乳・リンゴロールパン・とんかつ・炒めビーフン。取り合わせが不自然で、一品一品が孤立していて献立として成り立っていません。国は今年、食生活の改善を目指す食育基本法を成立させ、食育の一つとして、学校給食からも食の大切さを指導して、正しい食育を家庭に伝えようとしています。
  名古屋市は地産地消と称し、市の産物を使った献立を昨年度は年3回、今年度は4回を予定していますが、食育として満足いく回数には程遠いものに感じます。名古屋市の地産地消にこだわり過ぎず県内産、国内産と柔軟に考え無国籍の献立をやめていくことから始めなければ給食は変わらない。そして、完全米飯給食に変えていこうとすれば可能なことと幕内さんは提言され、調理現場の方からは予算の面でデザートを見直せば、もう少し米飯給食を増やせるのではと具体的な意見が出されました。
  今、煮物・佃煮・お味噌汁などご飯を中心にした日本食が家庭から失われているのです。県や市に対してもう少し踏み込んだ改革をしていただけるよう、根気よく働きかけていかなければならないと感じました。


  アレルギー、若年性生活習慣病など子供たちの体が訴えています。この飽食の時代に自分の食べるもの正しく選択できるよう、食の基本を身に付け、豊かで美味しい日本食が分かる子供たちが育ってほしい。良い食生活も悪い食生活も習慣化するもの。悪い食習慣が一度できてしまうと、それを治すのに大変努力を要します。パンが悪いのではなく、パンに合うおかずが単一的で、サラダ・ハム・乳製品・卵等が中心となり、油脂過多になりがち。その食生活が習慣化して、手軽に食べられる菓子パン、お菓子、ジュース等を食事代わりとしても、おかしいと思わなくなってしまうのに問題があるのです。子供たちは本物のおいしさを感じる味覚を持っています。その冴えた味覚を無くさないよう育てていくことが、日本の農業を守り、健康を守っていくことに繋がると思います。その土地の気候風土にあった産物や旬の物は本当に美味しく、栄養面からも優れています。

HOME食品安全情報
名古屋生活クラブ 2009 Copyright NAGOYA SEIKATSUCLUB,INC. All Rights Reserved