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トリエタノールアミンの毒性と発ガンについて
◆ 論文で紹介します ◆

Toxicology and carcinogenesis studies of triethanolamne in B6C3F, mice (dermal studies)
トリエタノールアミンの毒性と発ガン性研究(B6C3F,マウス,皮膚試験)
National Toxicology Program (アメリカ国家毒性計画)

 トリエタノールアミンは、広く工業製品に使われている。家庭用合成洗剤、繊維製品、除草剤、ミネラル油、植物油、パラフィン、ワックス、薬品用軟膏、石油用デムルシファイアー(脱乳化剤?)、合成樹脂、可塑剤、接着剤、密閉剤。陰イオン性と非イオン性の界面活性剤を媒介する化学物質として、生ゴムの硬化の促進剤として、吸湿性や軟化剤として、国立ガン研究所(The National Cancer Institute)は、トリエタノールアミンを、その、化粧品やその他の消費物に広く使われていること、又、その産業使用量の大きさによる、潜在的に高い労働者の曝露、又、発ガン性物質として知られているN-ニトロソジエタノールアミンへの変換の可能性などから、研究対象としてノミネートした。
 以前の、2年3ヶ月(投与期間)の研究は、腎臓腺アデノーマ(良性腫瘍)の統計的ぎりぎり(marginal)の増加を根拠に発ガン性に関して、「どちらとも言えない」(equivocal evidence)とした。(NTP 1991年)(ラット)

 しかし、マウスでの実験は、ヘリコバクター感染により、複雑なものになってしまったので、再度、マウスでの2年間の実験を急ぐことにした。



B6C3F1マウスのオスとメスにトリエタノールアミンを皮膚に2年間塗った。
1グループ50匹ずつのオスとメスのマウスにそれぞれ

 

 

r/s(g/kg)

オス

0(0)

200(0.2)

630(0.63)

2000(2)

メス

0(0)

100(0.1)

300(0.3)

1000(1)

(1g/kgというのは、体重1kgのマウスなら1g投与するという意味)

一週間に5日間投与を、オス104週間、メス104か105週投与



結論

この、マウス2年間の実験で
オス 血管肉腫に関しては    発ガン性、どちらとも言えない
メス 肝アデノーマに関しては   発ガン性、いくらかの証拠
(some evidence)
ということになりました。

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