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養豚場から発見された耐性菌
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆
Airborne multidrug-resistant bacteria isolated from a concentrated swine feeding operation
集約養豚場の空気から分離した多剤耐性抗生物質耐性菌
ジョン・ホプキンス 公衆衛生校 シュワブ
Environmental Health perspective 2005

家畜に対して、治療、予防、成長促進、飼料効率の改善などの目的で抗生物質が使われ、抗生物質総生産量の60〜80%にものぼっている。(アメリカ)
総量で年間、4666トンもの抗生物質が養豚のみでアメリカで一年間に消費されている。
  又、養豚の廃棄物(糞尿)などは、1億1千万トンにものぼり、その中から抗生物質の残留や耐性菌が見つかっている。
  今回の研究は、この様な中で、養豚場からの空気中にどれだけ耐性菌がいるか調べたものです。
  結果は、集めた菌の98%が耐性菌で少なくとも2つ以上の耐性を持っていました。
  又、アメリカ国内では、家畜に使用が認められていないバンコマイシンに耐性を持つ菌はありませんでした。
  今回見つかった菌は、
  腸球菌・・・ 院内感染のいちばんの原因菌であり、尿路感染症、創傷
  ブドウ球菌・・・ 院内感染の3番目の原因菌
  連鎖球菌・・・ 心内膜炎、敗血症
などと
健康に最も憂慮すべきことは、バージニアマイシンの耐性菌です。
  バージニアマイシンは、クイヌプリスティンダルフォプリスチンは、MRSA(メシチリン耐性、黄色ブドウ球菌)などの多剤耐性菌に対する最後の薬である。バージニアマイシン耐性菌は、クイヌプリスティンダルフォプリスチンにも耐性を示すので、これらの菌に感染すると、治療薬(抗生物質)がないということになりかねないのです。

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