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世界中のトランス酸(トランス脂肪酸)
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆
A trans world journey
世界中のトランス酸
Steen Stender ゲントフ大学 デンマーク
Arne Astrup Supplements 7(2006)47-52

食品に含まれているトランス脂肪酸は、油脂の工業的な硬化と反すう動物に由来している。水素添加していない油に比べて、工業的に作られたトランス脂肪酸を含んでいる油は、硬くて常温で保管でき、食品加工上有利であり、長い消費期限をつけることができる。

工業的に生産されたトランス脂肪酸は、脂肪中の60%まで含有している場合があるが、反すう動物由来では6%までです。

トランス脂肪酸の摂取は、心臓冠動脈の病気に関与している。

4つの大規模な疫学研究をまとめた分析は、エネルギー消費の2%、1日に約5gのトランス脂肪酸の摂取が心臓冠動脈の病気の25%上昇につながっていることを見つけた。このことは、トランス脂肪酸が飽和脂肪酸の4〜5倍のリスクを持っていることを示している。4つの研究の内、2つの研究で、リスクは反すう動物のトランス脂肪酸より工業的に製造されたトランス脂肪酸に関連していた。いくつかの公的機関がそれらの結果、トランス脂肪酸の摂取をできるだけ下げる様に勧告した。1976年当時、西ヨーロッパ諸国の工業由来トランス脂肪酸の平均1日摂取量は、6gでした。1996年には、2.6g/日(1.2g/日〜6.7g/日の範囲)(0.5%〜2.1%エネルギー消費量)にまで減少した。

おおよそ半分は、反すう動物由来であり、工業由来のトランス脂肪酸は約1.3g/日であり、1976年当時と比べて、78%も減少している。

1日に1g程度の工業由来トランス脂肪酸の摂取は健康にそれほど影響を与えないと考えられている。が、しかし、デンマーク国内で、2001年の平均摂取量は、おおよそ1g(工業由来のトランス脂肪酸)ではあるが、高トランスメニューともいうべき、人気の食品を2〜3種食べることで、20gから30gもの工業由来のトランス脂肪酸をとってしまうことが、いまだにありえるのです。それらの食品は、ビスケット、電子レンジ用ポップコーン、ドーナツ、フレンチフライなどです。

500万人のデンマークの人口の内、1万人から5万人の人々がその様な食品を週に何回も食べているのです。その結果、これらの人々は、1日に平均で5g以上の工業由来のトランス脂肪酸をとっているのです。

デンマークは、2004年1月に工業由来トランス脂肪酸を脂肪の2%以下にする法律を施行した。私達は、デンマーク及び他19カ国の高トランスメニューを再検証した

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