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ぜん息とインテリアの関連性
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆
Interior surface materials and asthma in adults: a population-based incident case-control study.
大人のぜん息発症とインテリア用品の表面物質との関係
Jouni J. Jaakkola バーミンガム大学 イギリス
American Journal of Epidemiology 2006.164.742-749(アメリカ疫学ジャーナル)

著者達は、インテリア用品の表面物質と大人のぜん息発症との関連を調査した。1997-2000年にかけて、新しくぜん息になった大人521人と、その対照者932人(南フィンランドに住む21才〜63才)を調べた。
ぜん息になる危険性は、プラスチック製の壁で2.43倍に、仕事場でのカーペット(wall to wall carpet)で1.73倍になった。
 さらに、カビがあると、4.64倍(wall to wall carpet)になった。



解説

インテリア用品、カーペットなどによく使われているポリビニルクロライド(塩化ビニル 略称 塩ビ)は、可塑剤として、フタル酸エステル類を30〜40%含んでいます。それらのフタル酸エステル類は、人体に取り込まれており、その値は下表に

数値は、 kohn 2000 koch 2003
DEHPの体内量は、平均160μg/g脂肪(0-905)EWGによる


同様の研究でも

  • スウェーデン:3才〜8才の子供のハウスダスト中のDEHP(フタル酸エステル類の1つ)量と、ぜん息のリスクとの関連の証明。
  • ノルウェー:ポリビニルクロライドを床に使っている場合、気管支閉塞が1.89倍
  • ロシア:8才〜12才の小学生、5951人の研究では、化学物質を放出する可能性のある材料と、ぜん息などが関連している。

などの研究があります。

フタル酸エステル類の中には、免疫増強作用を持つ物質(DEHP、DnBP)があります。

フタル酸エステル類以外にも、床のプラスチックには、カゼイン(乳たんぱく)も使われています。


まとめ

塩ビ製品などに含まれている可塑剤のフタル酸エステル類は、人体に大量に取り込まれています。 又、そのうちのDEHPとBB2Pは、発ガン性があります。 塩ビなどプラスチック製品のインテリア用品がぜん息を起こしている可能性が高い事がわかりました。

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