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イノシトール6リン酸とイノシトールのガンの抑制効果: |
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆ |
Cancer inhibitation by inositol hexaphosphate(IP6) and inositol:from laboratory to clinic Ivana Vucenik (メリーランド大学)
THE JOURNAL OF NUTRITION 2003 Nov(11.Suppl 1)3778S-3784S |
イノシトール6リン酸(IP6…別名 フィチン酸)は、穀物、豆類に0.4〜6.4%含まれている。リン酸化炭水化物で、抗ガン効果を示す。 IP6は鉄が水酸化ラジカルを形成するのを阻害することで、強力な抗酸化作用を持ちます。リン酸化の数が少ないIP1からIP5の型も存在し、細胞内でシグナル伝達、カルシウム調整などの重要な役割も果たしている。 どの様にして、外から投与されたIP6はガンの成長に影響を与えるのだろうか? シャムスディンらは、IP6を多く含む食品(穀物と豆)が直腸ガンの低いリスクをもたらしている疫学データに興味をそそられて、実験を開始しました。 IP6は培養ガン細胞の増殖を今までテストされた種類すべてで抑えている。 IP6は、異常細胞を分化させ、正常細胞へ戻すこともある。 解説 「玄米を食べすぎると体に良くないですか?」と、質問をもらい、調査をしました。インターネット上には玄米などに多く含まれている「フィチン酸(イノシトール6リン酸:IP6)がミネラルの吸収を阻害する。」というサイトがいっぱいありましたが、根拠が書いていないので、論文で探しました。結論を先に言えば「問題なし」ですが、発展途上国などの貧しい食事しかとれない人達には、鉄の吸収阻害の可能性があります。日本の豊かな食生活をしている人々にとっては、ほとんど問題がない感じです。 一方、IP6の抗ガン効果を示す論文がたくさんありました。 穀物や豆は食物繊維の源として、とくに玄米や全粒粉などの摂取がすすめられてきていますが、実は抗酸化作用もそれ以上に重要で、その成分がIP6です。IP6は正常な細胞に悪影響を与えず、ガン細胞の増殖を抑え、転移を抑え、血管形成を抑え、ある時はガン細胞を正常に戻しさえする力を持っているのです。玄米や全粒粉の製品を積極的に摂りましょう。 |
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