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精製糖に代わる物の総抗酸化力

◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆

Total antioxidant content of alternatives to refined sugar.
精製糖に代わる物の総抗酸化力

Phillips Virginia Tech (アメリカ)
J Am Diet Assoc,2009 Jan:109(1):64-71.

酸化的障害が、ガン、心血管病やほかの変性病の原因といわれている。

最近の栄養研究は、食品の抗酸化能に集中しているし、サプリメントをとるより、抗酸化が高い食品の摂取がすすめられている。

精製糖に代わる、生さとうきび、メイプルシロップ、アガベ液、モラセス、はちみつ、フルーツからの糖、などの代替物があります。

未精製の甘味料は、全粒穀物が精白穀物に比べてより高い抗酸化能を持つ様に高い抗酸化能を持っている可能性がある。

結果

 精製糖、コーンシロップ、アガベ液 0.01以下
 生さとうきび 0.1
 メープルシロップ、粗糖、はちみつ 0.2〜0.7
 モラセス 4.6〜4.9
単位 mモルFRAP/100g

 

一日平均130gの精製糖の摂取をしているので、これを他の糖に代えると、1日に2.6ミリモル平均になる。これはベリーとかナッツとかの1単位に含まれる抗酸化力と等しくなる。

結論

精製糖の代わりに、多くの簡単に利用できる他の糖に切り換えることは、抗酸化能を上げることができる。

解説

精製糖(いわゆる白砂糖、グラニュー糖、てんさい糖)の歴史は新しく、まだ、2〜3百年の利用の歴史にすぎません。ブドウ糖、果糖、液糖、コーンシロップなどは、まだ何十年にしかなりません。これらはすべて大規模な工場で作られ、その過程で、抗酸化能がほとんど無くなってしまっています。食べた後の血糖値の増加もこれらの精製糖は高く糖尿病の人にも問題です。

今回の論文では、モラセス(廃糖みつ)の抗酸化能がずば抜けて高いことがわかりました。

現代の食品工業は、砂糖、油、塩なんでも精製して抗酸化能を無くしてしまっています。現代の食事も玄米より白米、果物野菜などの皮をむいたり、熱を加えたり、加工度を上げています。これらの加工食品には、抗酸化物質が原料に比べ大幅に少なくなっていることが予想されます。現代の食生活は、抗酸化物質が減って、酸化物質(農薬、食品添加物)が増えてバランスが非常に悪い食生活になっており、アルツハイマー、ガンなどの原因の1つと考えられています。1つ1つの食品について、まるごと食べること、なるべくそのまま食べること、「まるごと食べる」ことの意味を理解して実践してください。

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