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アトラジンはカエルに半陰陽を起こす |
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆ |
Atrazine-induced hermaphroditism at 0.1ppb in American Leopard frogs(Rana pipiens): Tyrone Hayes カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ) |
アトラジンは多分世界中で最も多く使われている除草剤で、地下水や河川水などを汚染しています。最近(2002年)Tevera-Menclozaらはアトラジン(21ppb)の48時間曝露がアフリカツメガエルに重い生殖器発育不全をもたらすことを示しました。 私達はわずか0.1ppbでアトラジンが幼生の発達過程中に投与されると、半陰陽をもたらすことを示した。 アメリカ国内のほとんどの水源は雨水も含めてこの濃度(0.1ppb)を超えています。さらにそれは現在の水質基準の30倍も低い値なのです。しかし、これらの研究は実験室内で行われたものであり、アトラジンの影響が広く両生類に及んでいるのか、又野生に及んでいるのかは分かっていない。 まず私達はアメリカ国内のレオパードカエル(日本のとのさまカエルと類縁)でのアトラジンの影響を実験室内で確認した。それで、野生のレオパードカエルがどうなっているのか調査した。さらに調査地点の水に含まれるアトラジン量も測定した。 結果 アトラジンの汚染は広がっており、1pbbを超えて存在し、使われていない場所でさえ検出される。今回の研究では、0.1ppb以下のアトラジンが生殖器の発育不全と精巣内の卵形成(半陰陽)をレオパートカエルにもたらした。成長の遅いオスは卵母細胞の成長(卵黄形成)さえした。 さらに私達はアメリカ国内を横切ってアトラジンで汚染されている地域の野生種の生殖器発育不全と半陰陽を観察した。 これらの実験室及び野外の共同研究はアトラジン汚染の生物に対する潜在的な重大性を明らかにした。 |
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