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ネオニコチノイド系農薬の恐ろしさとは

 

ネオニコチノイド系農薬とは強力な殺虫剤です。毒性が非常に高く、神経伝達系(ニコチン系)に作用する神経毒性があります。浸透性農薬でもあり、水に溶けやすく代謝分解しにくい特性を持ちます。種子や土壌に散布することで根から吸収され、茎、葉、花、花粉、実、蜜といった植物体全体に浸透し、播種から収穫まで虫を殺し続け、人の口に入るまで高い濃度で残留するのです。

また最近わかってきたことですが、ミツバチが集団で消失する「ハチ群崩壊症候群(CCD)」の原因ではないかと考えられています。北アメリカでの調査(2010)では、ハチが集めた花粉中に98種類もの農薬が含まれ、ハチの成虫と幼虫のエサが高度に毒物に汚染されていることが示されています。

フランスでは2004年に種子処理への使用が禁止されましたが、日本では現在も作物への吹き付けや種子消毒などに広く使用されています。毎日食べるお米(商品名フィプロニル)、野菜・穀類・果実(商品名イミダクロプリド)、またペットのイヌやネコのノミ取り(商品名フロントライン)など…。実際この農薬を散布している農家の方に脳波異常の被害が出ていますが、ほとんど誰も問題を取り上げてはいません。

さらに厚労省では、農薬メーカーがイミダクロプリドの播種時土壌混和を申請したのを機に、6月、ホウレンソウへのイミダクロプリドの残留基準をこれまでの2.5ppmから15ppmまでに大幅に引き上げました(一例であり、様々な作物の基準を緩和しました(表1))。土壌や種子に対してこのネオニコチノイド系農薬を使用すると高濃度に残留することを鑑みてのことです。播種時にイミダクロプリドを前もって予防散布することで、栽培中の農薬使用量を一見減らすことができ、環境保全型農業を謳うことができるからです。ホウレンソウだと、これまで0.17ppmだった最大残留値が、播種時土壌混和により8.68ppm(およそ50倍)にもなります。メーカーの都合や社会的見栄えで動く行政――本当の安全性は置き去りにされているのが日本の現状であることを、知ってください。

neonico

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