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食品と人へのチェルノブイリ放射能汚染 |
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆ |
Chernobyl’s radioactive contamination of food and people アレクセイ・ネステレンコ アレクセイ・ヤブロコフ |
ベラルーシ 1993年末の時点でベルラッド研究所(BELRAD)は、ベラルーシ政府のチェルノブイリ委員会の援助を受け、食品中の放射能検査のための地域センターを370ヶ所設けた。11万1千点の牛乳を含め、34万点の放射能検査をした。事故後14年間、政府の規制レベルを超している割合は減少していない。(表12.1)危険な牛乳の割合は、毎年毎年増加している。例えば1994年に19.3%だったが1994年には32.7%に増加している。 フィンランド 事故後、セシウム-137濃度が牛乳、牛肉、豚肉で急激に増加した。1995年の初めには、7.7トンのマッシュルームに1600メガベクレルのセシウム-137が検出された(21万ベクレル/kgに相当) バルト海エリア バルト海の魚の汚染(カレイ、ヒラメ)が起こった。淡水魚の汚染はそれ以上であった。(図12.2、表12.4) クロアチア 小麦中のセシウム-137が100倍以上になった(100ベクレル/kg程度)。 イギリス 牛乳の汚染が1986年5月(事故は4月26日)に1000倍に(ヨウ素-131、セシウム-137)、ストロンチウム-90に関しては4倍に。事故後23年後でも、イギリス保健省によると、19万頭以上の羊がセシウム-137で危険なレベルに汚染されている。 トルコ 1986年から1987年にかけて、4万5千トンのお茶が汚染された。1986年の収穫の3分の1以上が使えなくなった。 ベラルーシの人々 1995年〜2007年、ベルラッド研究所は、30万人のベラルーシの子供達の内部被曝を測定した。ゴメリ地方のバラブスク(Valavsk)村での159人の子供を含む800人の村民の測定では(この村の汚染は1平方メーター当たり30万7000ベクレル…飯館村での汚染は、148万ベクレル)、2004年の測定 2.39ミリシーベルト/年(内部被曝 1.3ミリシーベルト)(訳注.日本人の平均被曝は1.5ミリシーベルト) 地域産品の摂取と子供の内部被曝には比例関係がある。秋と冬に被曝量が増加する。これは、汚染の高いきのこやベリー類、狩猟の野生動物の肉の摂取によっている。高度汚染地帯の子供30万人の1995年〜2007年の測定では、体重1kg当たり15〜20ベクレル以上のセシウム-137を蓄積している子供が全体の70〜90%を占めている(内部被曝として0.1ミリシーベルト/年)。 多くの村では、セシウム-137が体重1kg当たり200〜400ベクレルに達し、2000ベクレルまで達する子供達も(内部被曝で100ミリシーベルト以上)いた。ベラルーシとウクライナでは、セシウム-137で1平方メーター当たり55万5000ベクレルの汚染があるので(訳注.飯館村では148万ベクレル)、体重1kgに付き50ベクレルのセシウム-137が内部汚染していることは普通です。その子達は様々な病気が増え、死亡率が増加し、健康な子供が減少している。 デンマークの人々 ストロンチウム-90とセシウム-137の汚染が生じた。ストロンチウムはカルシウムと、セシウムはカリウムと同じ器官に蓄積する。1992年に取った大人の背骨から、カルシウム1kgに付き18ベクレルのストロンチウムが検出された。1990年の平均セシウム-137濃度は、カリウム1kg当たり359ベクレルだった。 結論 大人と同じ食事をしても、子供の被曝量は大人の3〜5倍以上になる。又現在の被曝の90%以上はセシウム-137(半減期30年)によっている。汚染はざっと3世紀は続く。政府の放射能モニタリングでは不充分である。それは、1人1人よりは地域の放射能を調べるし、重要な情報をよく隠す。すべての政府は、政府自身に責任がないことには(チェルノブイリのメルトダウン)時間を使いたがらない。この様に、政府は地域・個人・食品の放射能汚染のデータを得ようと真剣にしているわけではない。この様な状況では(それが普通ですが)、独立した放射能モニタリングが必要とされている。 表12.1 図12.1 図12.2 表12.2 表12.4 図12.4、12.5 |
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