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フルーツ、野菜、フルーツジュースと糖尿病のリスク

◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆

Intake of fruit,vegetables,and fruit juice and risk of diabetes in women.
フルーツ、野菜、フルーツジュースと糖尿病のリスク

Lydia A. Bazzano Tulane大学 アメリカ
Diabetes Care,volume 31. number 7. July 2008

71346人の女性看護士(38歳〜63歳、1984年の時点で心血管病、がん、糖尿病でない人)を18年間追跡し、4年ごとに食事内容を調査した。

結果

追跡中に4529人の糖尿病の報告があった。1日に3サービングごとのフルーツと野菜の摂取の増加は糖尿病のリスクに関係していなかった。しかし、フルーツの1日に3サービングの摂取の増加は糖尿病のリスクを低下させた(危険度0.82)。1日に1サービングの緑黄色野菜の増加も糖尿病のリスクを少し減らしていた(危険度0.91)。フルーツジュースの1日に1サービングの摂取の増加は逆に糖尿病のリスクを増加させていた(危険度1.18)。フルーツジュースを種類分けして糖尿病のリスクを見たところ、

りんごジュース(1ヶ月に3カップ以上)  >  1ヶ月に1カップ未満
                          1.15倍

オレンジジュース(1日に1カップ以上)  >  1ヶ月に1カップ未満
                          1.24倍

(と比べてもいづれのフルーツジュースもたくさん飲む人ほど糖尿病のリスクが高かった  訳注)
フルーツジュースの摂取が糖尿病のリスクを増加させることは(ジュース中に)繊維や他の植物性化学物質がなくなっていることや液体だということや糖分が高いことが原因かもしれない。大量の糖分が急に(体内に)入り、フルーツとして摂った場合には含まれている成分がなくなっている。―そのことがフルーツジュースが糖尿病を進行させる要因かもしれない。ナースヘルススタディーU(女性看護士91249人の追跡調査)では、1日に1回以上の加糖ソフトドリンクの消化は1ヶ月に1回以下の人と比べ糖尿病のリスクが1.83倍になっている。フルーツジュースの摂取が糖尿病を増加させているという。私たちの発見は、健康を思って飲み物をフルーツジュースに代えるということに注意を払わなければならない。現在の国の(アメリカの)、食事ガイドラインにおいて、100パーセントフルーツジュースをフルーツと見なすということにも注意を向けなければならない。糖尿病に対しては果物と野菜の効果は心血管病よりは弱い効果しかもっていない。 しかし、精製した穀類やじゃがいもの代わりにフルーツと野菜を摂取すれば、効果はもっと大きくなる。

解説

この論文はハーバード大学の有名な疫学研究であるナースズヘルススタディの中の1つです(トランス脂肪酸の危険性はこの研究からわかったことです)。 果物は糖分が高いので、糖尿病には良くないと思われている人が多いと思いますが、事実は逆で、果物は野菜以上に有益です。100%フルーツジュースとフルーツは効果がまったく、糖尿病に対しては逆でした。フルーツジュースの多くは酵素処理をして透明にしているため繊維(ペクチン)もなく、抗酸化成分もほとんど無くなっています。フルーツをジュースにしてしまう処理(大手の工場がしていること)でフルーツの効用がほとんど無くなっています。体に良かれと思って、1日1缶、野菜ジュースをとったり、フルーツジュースをとっても効果どころか害がある可能性を示唆した論文です。名古屋生活クラブの三上さんのりんごジュースやオリジナルのみかんジュースは酵素処理はしていません。見た目は悪いですが、本物です。ジュースを飲むなら酵素処理をしていないジュースを。でも、それよりもまるごとのみかん、りんごを皮ごと食べてください。

1日1缶の野菜ジュース、フルーツジュースは効果のない可能性が高く、害の可能性すらあります。

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