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ダークチョコレートの定期的な摂取がCRPを下げる

◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆

Regular consumption of dark chocolate is associated with low serum consentrations of C-Reactive Protein in a healthy Italian population
健康なイタリア人の集団でダークチョコレートの定期的な摂取がCRP(C反応性タンパク 炎症時に見られるタンパク)を下げている

Romina di Giuseppe カトリック大学
The JOURNAL OF NUTRITION 18 July 2008

ココアの木は3000年以上前に中央アメリカ、南アメリカ北部で栽培が始まった。ココア豆はエピカテキンやカテキンの様な単体フラバノール類やプロシアニジンの様な重合体も含み、それらは生理活性を持っている。

ココアフラバノールの様なフラボノイド類は抗酸化能を持つため、心血管病のリスクを下げることが期待されている。ビンソンらによると、チョコレートは果物、野菜、赤ワイン、紅茶以上に抗酸化能が高い。臨床研究でも、ダークチョコレートは血清HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増やすが、総コレステロールやLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)には影響しなかった。
試験管内の実験では、ココアフラバノールは血管内皮細胞に作用して、血管の弛緩を起こす可能性や、炎症に関与しているサイトカインやエイコサノイド(いずれも炎症に関係するホルモン)を調整している。小さな短期介在試験ではココアを含む食品が高血圧の人の血管の機能を改善し、血圧を下げる効果があった。

結果

ダークチョコレートを日常的に摂取している人はCRP濃度と逆比例していた。

  食べていない人のCRP 1.32
   日常的に食べている人のCRP 1.10

3日ごとに1サービング(20g)のダークチョコレートを食べている人のCRP値は、食べていない人やたくさん食べ過ぎている人に比べ有意に低かった。

C反応性タンパクは健康診断でもよく測定される数値で、感染症、心血管病、がん、リューマチなどの炎症が起きている時にも数値が上がります。病原菌や体内の自分の死んだ細胞の処理に使われるタンパクで、体内で感染症が起きていたり、慢性的な炎症が起きて自分の細胞が死んでいる時に増加します。最近の研究では、糖尿病、高血圧さらにはマーガリンなどのトランス脂肪酸の摂取によっても上昇することが示されています。

今回のこの実験ではダークチョコレート・・・これはカカオをたくさん含んでいるチョコレートという意味です(チョコレートの種類によってはあまりカカオを含んでいない物も多いので要チェック)

このダークチョコレートの摂取、とりわけ適量(3日で20g)の摂取がこのC反応性タンパクを下げている。つまり体内の炎症を抑えている可能性がある、というものです。

多くの病気は、炎症が慢性的に起きることが原因と言われています。この炎症を抑えるのが、野菜や果物、このチョコレートに含まれているポリフェノール、フラボノールなどの酸化を抑える能力を持つ・・・抗酸化物質です。野菜や果物を食べると良いのは、ここにあります。(伊澤)

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