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脂質異常治療に食事と運動の組み合わせ |
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◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Combination diet and exercise interventions for the treatment of dyslipidemia : an effective preliminary strategy to lower cholesterol levels? Krista A マックギル大学 カナダ |
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脂質異常は冠状心臓病の最も大きな原因の1つであることを疫学研究や臨床研究が示している。脂質異常とは、空腹時、コレステロール値、LDLコレステロール値、中性脂肪値などの上昇とHDLコレステロール値の減少が特徴です。 現在、これらの脂質異常は薬剤で治療されています。主に処方される薬剤として、スタチン(3-ハイドロキシ-3メチルグルタリンCoAリダクターゼ阻害剤)、胆汁酸、sequestrant ニコチン酸、フィブリック酸、エゼチミブ(コレステロール吸収阻害剤)これらのコレステロール低下薬はLDLコレステロールを最大55%減少させHDLコレステロールを最大35%上昇させ、中性脂肪を50%位減少させる。しかし、これらの薬は短期間に脂質レベルを望ましい方向に動かしてしまうので、長期使用の場合、いくつかの安全性の懸念があります。特にスタチンは、たまに筋障害(ゆるい筋痛からひどい痛みまでなど)を起こすことの証拠が示唆されています。さらに、肝トランスアミナーゼ値の上昇で特徴づけられる肝臓への毒性がスタチンを長期間に渡って高量とり続けると生じます。胆汁酸sequestrant、フィブリック酸の使用に関しても安全性の懸念が報告されています。安全性に関して、薬に頼らなく、脂質を改善する方法がより求められています。 国のコレステロール教育プログラムの第3回リポートは冠状心臓病の危険性で中間レベルにいる患者に対しては、薬剤治療の代わりに、生活習慣改善の治療を勧めています。生活習慣改善治療を行うに際しての危険性はその人の空腹時LDLコレステロール値とその人の冠状心臓病の種類によっています。生活習慣改善の主な目標は脂肪を全エネルギーの25%〜30%に下げる。飽和脂肪酸(バターなど)を全エネルギーの7%に下げる、コレステロールの摂取を1日に0.2gに下げる。脂肪を下げる、補助的な物を取ることです。これらの食事へのガイドラインと同時に、中程度の運動がお勧めです。 食事と運動、単独では研究されてきましたが、両方を組み合わせた研究はまだまとめられていません。そこで食事と運動を組み合わせた2つの実験を糖尿病ではない脂質異常の人を対象に行いました。 @低飽和脂肪酸食事+運動
コレステロール値が正常値より少し上の人にとっては薬の治療より、これらの食事と運動の組み合わせ治療がなされるべきだ。 Yu-Pothらのまとめた分析では、総脂質及び、飽和脂肪酸の摂取の低下は主に、総コレステロール値、及びLDLコレステロール値の低下につながるが、HDLコレステロール値や中性脂肪値にはほとんど影響がないことが結論づけられた。 一方有酸素運動では、HDLコレステロール値と中性脂肪値が変化する。 ファールマンらの研究によると(45人の高コレステロールの婦人、10週間の有酸素運動)20%HDLコレステロール増加、14%中性脂肪減少。これらの変化は食事や体重のなんらの変化もなしに起きている。 総コレステロール値、及びLDLコレステロール値は運動によって変化はあまり見られない(LDLコレステロール値が5%減少したという報告はある)運動によるHDLコレステロール値の増加によって、心臓病のリスクが下がることは、はっきり確定している。 魚油を(1日に1−5gのEPAとDHA)を補助的に使うと総コレステロール値が12%、中性脂肪が29%減少しHDLコレステロールが10%増加するがLDLコレステロールに関してははっきりしない。(影響なしor 増加させる)アポリポタンパクの遺伝子型が影響しているかもしれない。魚油単独もしくは、運動単独ではLDLコレステロール値を下げないので、魚油と運動の組み合わせが相乗的に良い結果をもたらすことは、普通では考えにくいことである。 オートブラン(えん麦のふすま)の様に粘性のある可溶化繊維はコレステロール低下作用がある。とくにオートブランは総コレステロール、LDLコレステロールを低下させるがHDL−コレステロ−ルと中性脂肪にはほとんど影響しない。 植物ステロールは植物油、種、ナッツなどに含まれる。最大で10%LDLコレステロールを下げることが出来る。(1日に2gの植物ステロールで)植物ステロールは総コレステロールとLDLコレステロールを下げることができるがHDLコレステロールや中性脂肪には影響しない。 今までの事をまとめると次の表になる。
目標とすべき4種類の脂質に単独ですべて良い効果を持つ方法はありません。運動+魚油+オートブラン(米ぬか)+植物ステロール(大豆)などを組み合わせることで高脂血症の改善が薬に頼らずにできそうです。コレステロール値が高い(僕もそうです。)といわれ困っている方も数多くいらっしゃるでしょう。忙しかったり、それで疲れきっていたり、腰が痛かったり、なかなか運動する時間、気持ちがない方も多いことでしょう。僕もそうです。けれども、薬には副作用があるし、食事だけではどうも限界があるみたいです。 用語の解説をします。
この論文を読むと、単独では効果がなくても運動と組み合わせると、薬に近い、良い効果が期待出切る事です。長期間(1年)にわたって運動をすることが重要です。同じ?運動のつもりでも、指導されている時と自由にやっている時で、かなり効果が違っているので運動のやり方にも一工夫あるのかもしれません。一週間に3〜7回、1回あたり30分から60分という範囲です。 訳:解説 伊澤 |
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