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甘味料アスパルテームの発ガン性
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆
First experimental demonstration of the multi-potential carcinogenic effects of aspartame administered in the Sprague-Dawley rats.
スプラーグードーレイ・ラットを使っての、アスパルテームの各種臓器に対する発ガンの最初の実験的証明
Morando Soffrittiら セサーレ・マルトーニ ガン研究所 イタリア
Environmental health perspective 2006 379-385

 工業化された食事には、潜在的な発ガンの危険性と安全性についての知識の限界があるので、セサーレ・マルトーニ ガン研究所は、1985年に大規模な実験計画を企画した。
  32種の長期の実験は、25000匹以上のげっ歯類を用い、進行中です。
  この研究でアスパルテーム(APM)も含め12種類の発ガン性をみている。APMの発ガン性の実験では、スプラーグードーレイ・ラットを用い、生涯を通して投与している。
  APMは、アスパラギン酸とフェニルアラニンのメチルエステルで、人工甘味料として広く使われている。
  特別な条件(極端なPH、温度、貯蔵期間)下で、APMは、ジケトピペラジン シクロアスパルチル フェニルアラニンを含むようになる。
  APMの商業的な利用は、1974年にFDAが認可し、1981年には固体の食品に、1983年にはソフトドリンクに許可された。1996年には一般の甘味料として許可された。
  サッカリンについて、APMは2番目に使われている甘味料で、アメリカ国内だけで年間8000トン以上使われている。
  APMの1日の平均摂取量は、1981〜1992年で2〜3r/s体重です。
  2才〜5才の子供と、妊娠適齢期の女性の場合、2.5mg〜5r/s体重です。
  APMのADI(1日摂取許容量)は、アメリカで50r/s体重、ヨーロッパで40r/s体重で、実際の摂取量はそれ以下です。
  APMは、3つの物質、アスパラギン酸、フェニルアラニン、メタノールに代謝されていきます。メタノールは、ホルムアルデヒドに、それからギ酸に変わっていきます。
  APMは、遺伝毒性は各種の実験で示して来ませんでした。
  APMの長期発ガン試験も2つありました。
  1つの試験では、1グループ40匹ずつのスプラーグードーレイ・ラットを用い、104週まで続けられました。


  FDAは、APMの発ガン性を認めませんでした。
2つ目の試験では、1グループ40匹のスプラーグードーレイ・ラットを用い、104週まで続けられました。(妊娠ラットも使い)

他にも、マウスとウィスターラットの試験があるが、それぞれ発ガン性はみつけられない。
  これらの実験は、現在の発ガン性試験の要件を満たしていない。特に、動物の数と、長くても110週までという期間が満たしていない。今回の実験は、8週齢のスプラーグードーレイ・ラット(1グループ100〜150匹)から投与を始め、死ぬまで続けました。

結果は、
@ 悪性の腫瘍の増加
A リンパ腫と、白血病の増加
B 腎盂と尿管と移行上皮ガン
C 末梢神経の神経鞘腫

大規模な実験でAPMは、多くの臓器に発ガン性をもたらし、それは、20r/s体重(ADIは50r/s)という少ない量でも発ガンを起こした。

 

結論

 APM使用の再評価が早急になされるべきだ 昔の実験と結果が違っているのは、

@ 実験の規模が大きいので、より見つけやすく、統計分析もしやすい
A 昔の実験は長くても110週までだったのに比べ、死ぬまで投与しているので、APMがその発ガン性を充分に作用できる
B 私達は今まで見つけられなかったキシレン、マンコゼブ、ビニルアセテートモノマー、トルエンの発ガン性を110週以上も続けたので、検出できた
C ウィスターラットでの実験で検出できなかったのは、ウィスターラットはスプラーグードーレイ・ラットより発ガンに耐性がある。このことは私達のベンゼンでの実験で示してある。さらに、この実験は110週で終わっている。



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