特別栽培米って、どんなお米?

■ 特別栽培米とは!

特別栽培米とは、農林水産省が平成19年3月23日に改正した特別栽培農産物に係る表示ガイドラインに従って栽培されたお米のことを指します。実際にはその農産物が生産された地域の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物を指します。

■ 基準になる慣行レベルって?

基準になる慣行レベルは、各生産地で慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況によって決められるもので、地方公共団体が策定または確認することとされています。愛知県では、各地域の実情に即した慣行レベルを定める観点から、特別栽培農産物の生産・販売を行おうとする農業者等からの申請に基づき、慣行レベルを確認することとされています。

つまり特別栽培米の基準は農林水産省が定めたガイドラインに沿ったものですが、その基準になる慣行レベルは、各生産地の地方公共団体が定めることになっており、かつそれらは、実際の生産者が申請した内容から決められることになっています。

裏を返せば、農薬をたくさん使用していた地区ほど、簡単に特別栽培米にすることができるシステムになっているんですね。

■ 福島県の状況

福島県の慣行レベルは、節減対象農薬使用成分回数が地区によりますが16〜17回と定められています。名古屋生活クラブで取り扱っている中村さんの場合では3回で、農薬の使用状況では十分に該当するレベルなんです。

■ 節減対象農薬って?

さて、ここまでで節減対象農薬という単語が出てきましたが、これが何かご存知でしょうか。これは有機農産物JAS規格で使用が認められていない農薬のことを指します。これが意味するところは、有機JAS規格というのは、農薬を使用していないものではなく、有機JAS規格で認められている農薬しか使用していないことが条件になるんですね。

ちなみに、愛知県で有機農産物JAS規格で使用が認められている農薬の中にケイソウ土粉剤があります。以前にも紹介したことがありますが、天然成分のケイソウ土が使用されているためいかにも安心なイメージがありますが、次ページのような論文が報告されています。

■ コクゾウムシ対策に有効なコクゾールは本当に安心!?

自然界に存在するケイソウ土の中に含まれている結晶シリコンはすでに肺ガンなどの危険性があることが指摘されています。しかしそれが非結晶であった場合、肺の病気になる危険性は指摘されていますが、まだ充分な研究がされておらずはっきり安全とは言えない状況です。

Health hazards due to the inhalation of amorphous silica.
非晶質Si(シリコン)の吸入による健康への危険性


Research Institute for Occupational Medicine (BFGA), Bochum, Germany

結論

疫学的な研究では、職業上、非結晶シリコンにさらされた労働者の中で線維症を引き起こすという関連性は決定付けていない。しかしある研究では非結晶シリコンにさらされた患者のなかで珪肺症になったという例が4件あることを明らかにしている。

内容

職業上、結晶シリコンのほこりにさらされている労働者は、珪肺症、結核、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺ガンのような肺の病気になる危険性が高い。非結晶のみのシリコンを用いた動物の吸入実験では、部分的な可逆的炎症や線維症、肉芽腫、肺気腫は見られたが、肺の進行的な線維症は見られなかった。

2011年4月4週