サルモネラ食中毒について@

サルモネラ食中毒というとサルモネラ血清型でいうとSE(Salmonella Enteritidis)が最も多い。卵の汚染に関しては保菌鶏から卵巣や卵管を通して卵内に直接サルモネラ菌が入るin egg感染と、産卵時に卵殻表面に付着した本菌が卵殻を通して侵入するon egg感染があります。

1万個に1個の確率で卵内に感染していると言われています。

弊社として会員の皆様へは夏季は以下の文章を注文書にて掲載させていただいておりますので、今一度ご確認の上、ご自身の判断で卵の生食については管理をしてください

 

最高気温が25℃を超えるときはサルモネラ菌による食中毒の危険が高まります。サルモネラの食中毒の60%以上は卵が関係しており、生卵、卵料理の加熱不足などにより、食中毒が多く起こっています。サルモネラ菌は、サルモネラ対策(例えば鶏にワクチンを接種)をしていても卵の中にある一定の割合で存在しています(卵の殻に0.18%、卵の中に0.04%)。サルモネラ菌対策は、温度と鮮度が重要です。お届け後、すぐに冷蔵庫に入れて冷やしてください。1万個に1個のリスクですが、どうしてもご心配な方は生食を避けてお召し上がり下さい。

 

購入してからの注意点としては、トレイから取り出し、冷蔵庫の卵トレイに移すこと。また、卵を使用時に水で洗浄すること。常温の状態で長い時間置く事がないようにすることなど。

鶏がサルモネラに感染していても、鶏自身には大きな症状はあらわれません。

感染している鶏が産んだ卵にサルモネラ菌が入ることがあり、例え新鮮な卵でもサルモネラ菌による食中毒の可能性はゼロではありません。

また、子どもやお年寄りなどの免疫の弱い人で例え数十個のサルモネラ菌でも食中毒になることもあるようです。食中毒はひどければ死亡します。

鶏のサルモネラ感染源は飼料、雛(導入した雛がすでに感染している可能性)、水、野生動物(ねずみ)、(農家やお客)などが考えられます。

飼育方法(鶏舎の構造、衛生管理など)でもリスクは違ってくることがわかってきています。

予防策は様々ありますが、リスクをゼロにすることは困難であり、リスクをいかに0に近づけるかということが重要とされ、養鶏農家は対策を取っています

サルモネラフリーの卵とうたっている卵を見ますが、実際には1個1個の卵を検査することはできないので、「抜き取り検査と環境中の衛生検査、飼料、水の検査により今のところ陽性がでていない」が本当の表現です。

スーパーの卵もレストランの卵も個人宅配の卵もどれも多少のリスクを抱えていることに違いはありません。

ここで最近の知見をご紹介

  • ・ 2004〜2006年サルモネラ食中毒になったのは3784人。
  • ・ 東日本の4箇所の養鶏場(ウインドウレス鶏舎、オートメーション管理、3万〜4万5千羽飼育)でドブネズミとSEの関係性を調査した実験では、ネズミ851匹中SE感染していたのは113匹。SI(Salmonella infantis)に感染していたのは158匹だった。養鶏場内の病原菌の拡散と継続に重大な役割を担っていることがわかった。
  • ・ 2004年〜2005年、1箇所の農場から5サンプルの糞、2サンプルのホコリ計7サンプルを採取した。5310箇所の農場のサンプルを検査したところ、EU全体で30.8%のサンプルがサルモネラ陽性だった。
  • ケージ飼いは他の飼い方(平飼い、放し飼い、オーガニック)に比べてサルモネラ陽性の割合が高い。
    ホコリは糞より2倍もサルモネラ検出の割合が高かった。

ケージ飼い農家のSE発生率を1とした場合他の飼育法のSE発生率は以下の通り。

飼育方法
比率
平飼い
0.57
放し飼い
0.02
オーガニック
0.05
  • ・ アメリカの2006年の論文:278個の液卵のうち、169個(61%)がサルモネラを含み、その内38個(14%)がSEタイプだった。産卵鶏では高い割合でSEが検出されるが、卵の中にSEを含む頻度は低い。EbelとSchlosserらはアメリカでは平均2万個に1個サルモネラが検出されると推測した。

つまり、飼育方法はケージより平飼いがよく、ねずみも感染源の一つで、EUの調査でサンプルの3割が汚染されていた。

名古屋生活クラブでは今後も様々な文献などをもとに、より安全性を高められるよう努力して参りますので、皆様もサルモネラについて知識をもって夏場の食生活には自己責任をもつようにしましょう。

次週、名古屋生活クラブの生産者のリスク評価について書きたいと思います。(もみのき)

(2011年6月1週)