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ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より(第7回)
2010年12月21日 掲載今回は、これまで触れてきた内分泌かく乱物物質のビスフェノールA(BPA)について、ひとまず総括してみたいと思います。
1.国内生産量
2007(平成19)年で564,775t(経済産業省 化学工業統計年報)
※1997(平成9)年以降、国内外で内分泌系への影響が懸念されるようになったにも関わらず、国内生産量も輸出量も増加の一途を辿っている。
2.用途
エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂の原料。フェノール樹脂、酸化防止剤などの原料。
※プラスッチック製の哺乳瓶、カップ、缶詰の内面塗装などに使用されている。
3.各国規制
NTP(米国国家毒性プログラム)、EFSA(欧州食品安全機関)といった主要国際的機関は、耐容一日摂取量(食品の消費に伴い摂取される汚染物質に対してヒトが許容できる量)を50μg/kg体重/日と設定しており、日本はこれに準拠している。
4.環境中への排出量と排出源
●排出量
2007(平成19)年で年間約3t(環境省、経済産業省)
主要な内訳(kg/年)は、大気355、公共用水域720、廃棄物151,105、下水道53
●主要排出源
窯業・土石製品製造業、化学工業、プラスチック製品製造業
5.健康リスクの評価
多数の動物実験により、生殖発生毒性、発がん性、神経毒性などが懸念されている。特に、近年では、低容量曝露(極めて低い容量の摂取)による神経や行動、乳腺や前立腺への影響が懸念されている。なお、発がん性については、主要国際的機関から認定されてはいないが、動物実験では、0.1μg/kg体重/日という極めて低い曝露量で発がん性を示唆する実験データが得られている(Newboldら、2009)。
6.ヒトの曝露量
一日の総曝露量の99%が経口曝露による。さらにそのうち、98%が食物由来である。
7.曝露源
缶詰食品の中でも特に畜水産缶詰に高濃度のBPAが含まれている。
8.現在の日本の缶詰事情
内面コーティングの材質あるいは缶詰の構造上の改良により、安全性は高まっている(東京都健康安全研究センター、2006)。韓国の畜水産缶詰と比較してもBPA含有量は低い。
9.結論
BPA含有量の高い缶詰食品を過剰摂取するようなことをしなければ、現在のところは、余り過敏になる必要はないと言えると思われます。先に紹介したNewboldら(2009)の実験データを考慮したとしても、日本で言えば、平均的な畜水産缶詰(BPA含有量;25.4μg/kg)を一日1個未満にしておけばクリアできます。しかし、諸事情から粉ミルクを毎日飲む赤ちゃんもいるし、ヒトによっては毎日飲むこともあり得る缶コーヒーが韓国では最大のBPA含有量です。缶詰を毎日食べるヒトは殆どいないように思いがちですが、色々なケースが考えられるのです。微量であれば、問題がないからと言って、危険な化学物質を使用することを放置しておいて良いのでしょうか?
さて、長らくBPAのことを話題にしてきましたが、会員の皆様は、じゃあ生活クラブの缶詰は果たしてどうなの?といった点が一番気になるところだと思います。弊社取扱商品の安全性につきましては、近いうちに詳細にまとめあげ、ご報告したいと考えています。 (新山雅広)
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- 第2回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第3回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第4回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第5回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第6回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 最終回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より


