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ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より(第6回)
2010年12月20日 掲載話を再びビスフェノールA(BPA)に戻したいと思います。BPAは、内分泌系への影響が懸念されている化学物質です。内分泌系には、神経系や免疫系と共同して、体内の環境を安定した状態に保つ役割があります。また、内分泌系の一部である性ホルモン系は、生命の再生産(生殖、発生)にとっても必須の役割を果たしています。このような内分泌系の働きをコントロールしている生体内の信号物質がホルモンです。
内分泌かく乱物質(環境ホルモン)は、生体内信号物質としてのホルモンの働きに介入し、内分泌系の機能を障害する化学物質です。
ホルモンは、ある特定の器官でつくられ、血流によって体内の別の場所(標的器官)に運ばれてからその作用を現します。標的器官の細胞内外には、ある特定のホルモンと選択的に結合する受容体(レセプター)というものが存在します。ホルモンは、この受容体と結合することによって、ホルモンの信号が細胞の内部に伝えられ、信号に応じた細胞の変化が引き起こされるのです。
BPAのような内分泌かく乱物質は、受容体と結合して、にせの信号を発信し、本来のホルモンと同じような働きをしてしまいます。また、受容体と結合してしまうことにより、本来のホルモンが結合する場所を失い、本来の信号が細胞内に伝わらなくなります。これらの結果、体内のホルモンバランスが崩されてしまうのです。

内分泌かく乱物質の作用で最も注目されているのは、性ホルモン系への影響で、乳がん、子宮内膜症、精子数減少、精巣がん、前立腺がん、学習障害、免疫障害、甲状腺機能障害など、多様な健康障害との関連が疑われています。そして、内分泌かく乱作用が最も強く現れるのは、胎児・乳幼児期であり、その影響が顕在化するのに長期間を要する場合もあると見られています。
BPAは、一般有機化合物の内分泌かく乱物質の代表格ですが、その他のものを表に示しておきます。 (新山雅広)
内分泌かく乱物質の例
化学物質 |
用途・起源 |
医薬品 エチニルエストラジオール |
合成女性ホルモン、経口避妊薬 |
塩素系有機化合物 TCDD コプラナーPCB |
燃焼生成物、化成品不純物 燃焼生成物 |
一般有機化合物 p-ノニルフェノール ビスフェノールA フタル酸エステル類 |
界面活性剤分解物 ポリカーボネート樹脂溶出物 塩ビ樹脂可塑剤 |
植物エストロゲン クメストロール ジェニステイン |
大豆 大豆 |
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- 第4回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第5回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 第6回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より
- 最終回 ビスフェノールAについて 〜配達員便り〜より


